ピッチャーのテイクバックがものすごいコンパクトだとよく「野手投げ」と言いますよね。ですが、何をもって野手投げと言っているのでしょうか?おそらくですがコンパクトなテイクバックだけを見て野手投げと言っていますよね。ですが、コンパクトなテイクバックでもバリバリのMLB選手はたくさんいます。デュラン・シース(パドレス)、ギャレット・クロシェ(ホワイトソックス)、コービン・バーンズ(オリオールズ)、ルーカス・ジオリト(レッドソックス)などなど。NPBでも攝津正投手(ソフトバンク)、社会人野球の佐竹功年投手(パナソニック)など多くの一流選手がいます。これらの一流選手も野手投げと言うのでしょうか?違うと思います。野手投げではこれだけの一流選手にはなれません。簡単に言うと野手投げは相手に捕ってもらいやすいボールを投げるフォームであって、ピッチャー投げはバッターに打たれないボールを投げるフォームです。その1番の違いは投げる時の胸の方向です。野手はまず相手に捕ってもらうことが大切なのでコントロール良く、相手にボールを捕ってくださいねと言う意識で投げるため、胸を相手に見せて、ボールもできるだけ相手に見せるように投げているのです。例えば、何かものを投げて渡さないといけない時、相手に正面を向けて、今から投げるものをよく見せてから投げて渡しますよね。その延長が野手投げです。その中でもできるだけ速く、強く投げているのです。一方のピッチャー投げはバッターに打たれないために球速を出し、バッターにボールを見せずに投げることに重点を置いるので、おのずと胸を見せない投げ方になります。なのでテイクバックがどれだけ小さかろうがそれを簡単に「野手投げ」と決めつけてはいけないのです。
※各選手の所属チームは2024年10月現在のものです
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